昨年末、お世話になっている黒岩ファミリーの秩子さんからチラシが添付された
1通の電子メールが届きました。今回は代議士の話ではありません。
7人兄姉の末子である黒岩揺光氏が講演するということです。揺光氏は私よりも15歳も年下。
面識も全くない。というより彼は高校1年で中退し、15歳で米国に留学しているのだ。

揺光氏は世界でも最も治安が悪いとも言われ、内戦で無政府状態が20年以上続いているアフリカ東部ソマリア(実はソマリアがどこにあるかも知りませんでしたが(苦笑))から、
隣国ケニアのダダーブに逃れた難民キャンプで支援活動をしていた。その全く身近でない話を
してくれるというものでした。
チラシを頂く

そうそう、5日の新潟日報にもこの講演会のことが載っていましたね。
新潟日報

これが浦佐のケアハウス鈴懸の隣にある「夢草堂」です。どこそこかの廃寺を
石田工務店さんの技術で利用して移築したものだ。
夢草堂
開演時間ピッタリに行ったら既に満席で、結局2時間を立ってお話を聞いた。

揺光氏は何をしていたかというと(是非、工場長日誌をお読みください)、難民たちが
料理で使う「七輪(七厘とも言う)」を作る工場を運営し、その工場長を務めていたというのだ。
最初は、はぁ~七輪?、ハッキリ言ってパッとしねえな~と思ったが。。。
                              。。。ヾ(–;)ぉぃぉぃ、ハナシハ、サイゴマデキケ!
料理をする「かまど」には当然燃料となる薪が必要になる。しかし、ケニアには樹木そのものがメッチャ乏しい。しかも、ソマリア難民がケニアの国土に入ってきて、バッサバッサと貴重な木々を伐採したら、ケニア人からすれば気分が良くないのも当然である。
そこで、七厘を難民に無料配布することにした。七厘の語源として考えられている
・わずか7厘(重量単位)の重さの木炭で十分な火力を得ることができたことから
その特性を活かし、七厘を使って貴重な燃料になる木々の使用量を3割は減らそうという発想からきたものだ。なるほど~。

堂内で講演会
工場長の他30人のスタッフはみな難民である。話が長くなるので印象に残った話を
2点ほど。。。
まず、20年以上もソマリア難民は食糧などの物資を与えられ続け、それに慣れきっているために極度の「支援依存」に陥っていること。反対に支援する側は配給する作業に終始した「自己満足型支援」であり、難民の能力を引き出し、ソマリア再建に通ずるような、将来性のある
取組みが為されていないことである。その取り組みを担ったのが「七厘工場長の揺光氏」
なのです。(相当苦労したらしいが、これも日誌をお読みください。)
また、NGO「インターナショナル・ライフライン・ファンド(ILF)」のスタッフとして活動した揺光氏だが、「ライフライン」というと水道や電気、ガスの設備がされていることであったり、道路や鉄道の機能が設備されていることと思いがちです。ですがILFのライフラインは英訳通り「命綱」を意味しています。命綱(ライフライン)とは、万一の危険時に、助ける側(支援をする)と助けられる側(支援を受ける)がお互いに協力し合わなくてはいけない共同作業の大切さと意義を示しているものです。

今まで内戦、飢餓、難民。。ピンとこなかったですね。それどころか「もったいない運動」をしよう
という大量消費、大量廃棄の偏った成熟社会に浸かっているわけですから。。。さすがの私も
かなり刺激を受け勉強になりました。自分には何ができるのか?考えてみよ~う!

最後に、ODAの援助やこのような支援を積み重ねていくことで、他国から日本が尊敬され、そして日本は必要な国と言われるようになるのです!と感じました。

※今日は東京大学駒場キャンパスで報告会をするそうです。やっぱ、すげ~!